Yuri Takigawa
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2026-05-11

Cerebras での研究インターンに伴う渡加のご報告

ResearchPersonal Life

渡加のお知らせ

2026年に入り直接お会いする機会があった方々にはお伝えさせていただいておりましたが、2026年5月中旬より cerebras aiInference Kernel and Performance Team にて R&D インターンに従事することになりました。 就労ビザが承認されたのが5月7日で、そこから1週間としないうちにカナダに渡航をするというスケジュールを強行しましたが、結果として大きなトラブルもなく過ごすことができています。

インターンに至る経緯

学部生での研究室配属の後、教授と研究の方向性を話し合う中で、「革新的なハードウェアアクセラレータに対する言語処理基盤の構築」という関心の方向を伝えたところ、Cerebras のお知り合いを紹介していただき、プロジェクトがスタートしたという形です。 Cerebras 側のメンターの方に、技術的な側面でも研究のタイムライン管理的なところでも、かなりのリソースを割いて指導をしていただき、おかげで全く未知のハードウェアかつプログラミング環境であったにも関わらず、一年でしっかりと実力をつけることができました。 その中で、昨年末にメンターの方から、インターンへの招待をいただき、即断即決したという形になります。

修士一年を海外でのインターンに充てるということは、必然的に日本での就職活動の幅を狭めることになりますが、このような企業で働く機会は一生に一度あるかないかの経験だと思いますので、特に思いとどまる理由はありませんでした。

初週の過ごし方

0日目(渡航前)

まず諸々の備品を用意します。

  • 変圧器
  • 炊飯器
  • ドライヤー
  • サバイバルナイフ(ドライバーやナイフ・ハサミの類は引越し時にかなり役に立ちます)
  • 電源コード類
  • スリッパ(土足文化の国では、スリッパやサンダルがないと足が蒸れます)
  • ティッシュやキッチンペーパー(もちろん現地でも買えますが、最初の数日は必要です)
  • シャンプー・トリートメントなど(これは現地のものと相性が悪い場合もあるので、日本から持参するのがおすすめです)
  • 服用薬の類
  • 大量の服
  • エコバッグ(買い物とかで役に立ちます)
  • タオル類(種類と枚数を両方確保しましょう、自炊すると皿拭き用と手拭き用で最低2枚は消費します)

あと個人的に持参して良かったと思ったのは、

  • 清掃用のローラー

です。お手頃なサイズ感ですが、床にも寝具類にも使えるのでめちゃくちゃ便利です。

初日(金曜日)

夕方六時くらいに空港に到着後、観光ビザではないので就労者向けのビザ審査カウンターに進みます。ただ、自分は会社が用意してくれた現地のエージェントがきちんと審査書類を整えてくれていたので、極めてスムーズに就労許可を得ることができました。 ホテル Sweetheart B&B に Uber Taxi で移動しました。ちなみに、こっちは地上階と1階が別に存在するので最初は戸惑います。

2日目: 内見

日本にいるタイミングで、2件シェアハウスの大家さんにコンタクトを取っていたので、この日は内見をしました。家探しは、このサイトが非常に信頼性が高くおすすめです。 どちらの大家さんも非常に親切で、極めて急な日程や週明けから働き始めるという個人的な事情にも理解を示してくれて、とても助かりましたが、最終的に職場からの距離と最寄りのスーパーまでの距離、そして日当たりと家賃を総合的に加味して、家を決めました。 内見の際に自分が気にしたことは以下のような感じです。

  • トイレが共用か
  • 日当たりが良いか(社会人は生活のペースを日の出に合わせてきちんとコントロールする必要があります)
  • 最寄りのスーパーマーケットの品揃えと価格帯(特にアジア系の食材の有無は要チェックです)
  • 周囲の雰囲気と治安(選んだ家の周囲は欧米系の白人が多い地域でした)
  • 職場までの所要時間(自分はD2Dで35分くらいです)
  • 洗濯機が備え付けかもしくはランドリーまでの距離(雨の日とかを考慮すると近いに越したことはないです)

3日目: 契約と引越し

内定した家に、契約書類を携えて向かいます。と言っても実際には身分書類と契約書をPDFで送りました。 日本がどうかわかりませんが、 first and last month pay と言って、最初に2ヶ月分の家賃を払います。最終月の家賃がタダになるという格好です。 自分は、支払い手段が現金しかなく、手持ちで10万くらいしかなかったので、持ち合わせで許してもらいました。 留学生とかは、もちろん大学の紹介もあると思いますが、いずれにしても支払い手段が準備できるまでには少し時間がかかるので、多めに現金なりを用意しておくと良いでしょう。 (こういう時に、きちんと払える収入があるかどうかは大事です。自分の場合は、会社から受け取るサラリーがそれなりに良かったので信頼してもらえました。)

荷物が多かったので2往復し、部屋の清掃も進めます。 ひと段落した後は、生活の基盤を整えるべく、amazonで欠けている家具を一気に購入します。

  • 延長コードと蛸足配線
  • 昇降デスク
  • オフィス椅子
  • ディスプレイ
  • 空気清浄機

を合計7万円くらいで購入しました。こういうのは、初期投資が高くても1年間使い続けるので、生活の質を担保するために出し惜しみしない方が良いでしょう。

その後、家から2kmくらい離れたところにある wallmart に向かい、食材を大量に購入します。

  • 飲用水
  • 調理油
  • 調味料(塩・こしょう・醤油・味噌)

といった長期的に使用するものに加えて、直近で使うであろう

  • オレンジ
  • ミニトマト
  • 玉ねぎ
  • ブロッコリー
  • きのこ(しめじ)
  • アップルジュース
  • ベーコン
  • ハム
  • ヨーグルト
  • 牛乳
  • パスタ

を買いました。合計で12000円くらいしましたが、それぞれの償却期間を考慮すると、だいたい1ヶ月で多くても$18000$円くらいの食費になりそうです。 食材は基本的に日本の25~50%くらいの体感で、特にはめちゃくちゃ安いです。

10kg弱ある米を担いで2km歩くのはそれなりにしんどいです。筋肉痛になりました。 ちなみに、徒歩200mのところにも Loblaws といういいスーパーがあるので、次からはこっちにしようと思います。 この日までホテルに滞在しました。

4日目: 引越し完了と初の自炊

残っていた細々とした荷物を移動させ、不足していた残りの食材を Loblaws で買い足し、いよいよ自炊開始です。 といってもまともに自炊をしたことがなかったので、とりあえず短時間で作れる料理を中心に1週間の献立を決めました。 多分これをしないと、社会人は自炊する習慣が持たない気がします。何を作るか決まってさえいれば、あとは深いこと考えずに作るだけなので。

自分の場合は手持ちの食材も考慮して、

夜1

  • ベーコンと玉ねぎブロッコリーの炒め物
  • しめじの味噌汁
  • ご飯(週に1回お茶漬け)
  • 牛乳
  • オレンジ

朝1

  • ご飯(残り)
  • しめじの味噌汁(残り)
  • ハム
  • 目玉焼き
  • ミニトマト
  • ヨーグルト

夜2

  • ベーコンとブロッコリー・玉ねぎのパスタ
    • ソースは、卵と牛乳に塩こしょう
  • オレンジ

朝2

  • パスタ(残り)
  • ハム
  • 目玉焼き
  • ミニトマト
  • ヨーグルト

という2パターンを2:1の比率でローテーションさせています。 炊飯器と最低限の食器は日本から持参しました。

さらに、Amazonで注文していた家具類が到着したので、それらを組み立てます。 机の組み立ても椅子の組み立ても結構無理な姿勢を取るため、腰が痛くなりましたが、なんとか耐えています。

部屋には元々ベッドとカーペットと小さなテーブルに加えて、衣装ボックスがあるという感じでしたが、カーペットは清掃が面倒でハウスダストの原因なので、排除しました。

5日目: インターン初日

インターン初日であると同時に、カナダ到着後、初めての平日となったため諸々の行政手続きを進める必要がありました。

  • Social Insurance Number (日本でいうマイナンバーみたいなものです)
  • 銀行口座(家賃の支払いや給与の受け取りに必要です)

の二つを取得しました。基本的にカナダは、SINがないとかなりできることが制限されるので、真っ先にこれを取得したいところです。 SINは最寄りの Service Canada Office (日本でいう地方自治体の特別出張所みたいな感じ)に就労許可証とパスポートを持参すれば、その場で発行してもらえます。

これらを済ませたのち、オフィスに向かいます。(ちなみにオフィスはすでに2回下見をしていました) トロントの地下鉄は、初乗り3.3ドルで距離運賃などは一切加算されません。往復で800円と考えると結構な負担です。普通に1日分の食費よりも高いかもしれません。

今週から働き始めるインターン生が7人いて、彼らとエレベータホール前で顔を合わせて会話をします。とはいっても、自分以外は全員カナダの大学に通っており、自分だけ余所者でした。 (もちろんみんな非常にフレンドリーかつ親切で、優しく接してくれます) トロント周辺の大きな大学は、UofT (University of Toronto)Waterloo の二つがあり、それぞれの Computer Science から学生を採っているという印象です。

職場は、インド系3割・中東アフリカ系3割・中華系3割・欧米系1割という雰囲気ですね。 職場でも基本的に文化圏や言語圏が近しい人同士が、集まって雑談をしている印象です。

6日目: おおよそ割愛

企業のコードベースへのアクセス権を得たので、ビルドをします。 ざっくりと今後取り組む可能性のあるプロジェクトについて上司に簡単なガイドをもらいました。

7日目: IPO パーティー

午前はコードベースの探索を継続しました。 正午に上司から明日チーム全体に向けて、インターン以前に取り組んでいた研究・プロジェクトについてプレゼンする準備するよう指示を受け、その資料作成に取り掛かります。 5時から、会社の IPO party が開催されており、我々インターン生も参加を許されました。と言っても高級感溢れるバーというよりかは、クラブにも近いカジュアル目なバーという感じでした。(爆音ミュージックが流れていて全然お互いの声が聞こえない...) ここで初めて上司と対面で会うことができ、さらには自分のいるチームに10月から新卒で入ることが内定している UofT の学生と知り合い大いに意気投合したり(将来展望的な話がメインでした)、同じチームのフルタイムのスタッフとも多少話せたりして楽しかったです。 日本だと会社の飲み会に家族同伴でということはほとんどないと思いますが、既婚者はほとんどパートナー同伴で参加していたような気がします。

これまで研究で接点があったメンバーが多少シニアなメンバーだったので、そういう人が多いのかなと思っていましたが、驚くほどに全員若くなんなら同い年のフルタイムスタッフとかも少なくなくビックリしました。 ちなみにそういうスタッフもさまざまで、インターン経歴すら一切ないところから Cerebras に即内定したような人もいれば、大学一年生から様々な企業でソフトウェアエンジニアインターンを続けて内定をしている人もいたりしました。ちなみにインターン経歴すら一切ないところから内定したメンバーは、Computer Science の学部レベルの内容については極めて深い理解を有していることが会話の中でわかったので、結局のところ実力採用であるということには変わりはないようです。

前段で紹介したように、非欧米系の人間が極めて多く、その多くは移民一世ないしは移民二世です。 移民二世の人が口を揃えて言っていたのは、「親は自分が生まれた時点で移住を決意していて、生まれた時から英語教育などを受けていた。移住後は、親はすごい苦労をしていたが、自分の(つまり二世の)代の出来で現地社会での階級が決まるから、頑張らないといけない。」という趣旨のことです。 これだけ時代の最先端を行く企業のソフトウェアエンジニアたちであっても、原動力の大きなウェイトを占めているのはサバイバルのようです。いやむしろ、サバイバルだからこそ時代の最先端を行く企業のソフトウェアエンジニアが務まっているのかもしれません。